槍の墓場 と 光の種

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【詩】「浮き草」 2015年8月31日作成

 炸裂音が街に響き 全てのモノが灰燼と化す
僕の姿はどこにも見えず 高笑いだけが響いている
捨て去りきれない感情が 眩く空を駆け巡る


手を伸ばすとも得るものは無く 駆け出してみても微睡の中
逃げ出す事も出来ぬまま 消え去る事を夢見ている
そんな無邪気な溜息が そこから聞こえた気がしている


でも ここには何も無い 希望も絶望さえも なにも
ただ永遠に 湿って生温い、灰色の世界が続くだけ


そこで僕は 言葉の意味すら失って
何かを考える事すら出来なくて
ただそこにいるだけの存在として
このまま生きていくのだろう


到達点とか、そういうものも 気付かぬ間に失って
達成感とか、そういうものも 気付かぬ間に失って
全ては過去の幻想なんだって 心に強く刻み込まれて
虚空が広がる世界の中で ただ浮かび続けるだけなのだろう


炸裂音が街に響き 全てのモノが灰燼と化す
僕の姿はどこにも見えず 高笑いだけが響いている
捨て去りきれない感情が 眩く空を駆け巡る


あぁ、それすら過去の幻影なんだって
もう、きっと、君も気付いているんだろう?


どこにもたどり着けない僕と
どこにもたどり着けない君で
これから何を 作っていけばいいのだろう


500年後の世界に 僕らは何かを残しているのだろうか
その答えを知る事ですら 今はもう望んでいないのだろうけれど…