槍の墓場 と 光の種

詩・小説・日々思う事・ジャンプ感想などを投稿します。

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「不可侵な境界」 2009年09月14日作成

中村忠志が初めて人を殺害したその日、川上雄太はいつものように両親から虐待を受け、篠崎深雪は叔母の家に引き取られ、そして、空が割れた。 空の割れ目からは充血した瞳が地上を見つめ、そして、やがてそれは薄緑色のジェルのような涙を流した。涙は地表に…

「せかいの片隅のヒビ」 2009年04月04日

絞首台で奴が叫ぶ 見下ろすあなたは唾を吐く 甘いお菓子を献上しよう 奴の叫びが届かぬように 空に輝くあの人は 甘いお菓子が大好きだから 奴の体に釘を刺そう 叫び声すらあげれぬように 奴の体の赤い血が あなたの体を汚さぬうちに 空から星が落ちてきた な…

「輝石の如く」 2009年02月22日作成

人ごみの中に紛れてしまうと、そこに溢れる人々がまるでモノであるかのように、私の心でさえもそうであるかのように、街に溶けていく。 見知らぬ人々で溢れるこの世界は、誰のために動いていくのだろうか。 路地に入ると、そこには喧噪。 男が5人がかりで1…

「あたたかな夜」 2008年09月28日作成

月下美人の花が咲く頃 月明りと共に駆動 名を呼ぶ者はいないハイウェイ 風さえ切り裂く 鎖引き千切る 我は何者? 迷う心 闇に溶かす 躁…闇に溶かす 我は何者? はやる心 空に浮かす 零…空に浮かす 者皆静まる時の狭間 暗い海の中に浮揚 紫煙のみただ瞳に映る…

「栽培」 2008年08月12日作成 (2012年06月02日、会話文に「」を追加)

「ねぇねぇ、田中さんのお宅…あんな事があったじゃない?」 「もう、あの話をするのはやめてよ・・・ご近所であんな事があったなんて思い出したくもないわ。」 「まぁまぁ…それでね、田中さんちのお子さん・・・」 「あぁ、あの子…」 「そう、その子。あの子…

「かすれた声」 2008年04月14日作成

綺麗であれと私に言うから 私は顔を隠しました 素直であれと私に言うから 私は嘘をつき続けました 喜ばせろと私に言うから 私は私を殺しました 私の顔は誰にも見えず 私の言葉は誰にも聞かれず 私は誰にも感じられない だから私は 私を探す 独りきりで私を探…

「ゲキジョウ」 2008年04月14日作成

突き刺すテメェが今の世界? ぶちかましてインフォメーション黄金の街 産み出すテメェら 膿んだ脳髄 染められ貴様ら それこそ全て…? 泣きわめきの先の先 歪んだそれは涙かエゴか? 奥の奥まで形を整え 心でさえも作り物? 濁った上澄み 迷宮の中で囁く欲の…

「糞人間」 2008年01月29日作成

えらそに語る糞ジジイ 微塵も動かぬ糞ババァ Power執着ヘドロまみれ糞スピリット 弱者貶め排斥 強者称え取り入り 嘔吐催す 嘔吐催す 嘔吐催す 下衆野郎 生かしちゃおけねぇ 糞スピリット 生かしちゃおけねぇ 下衆野郎 地獄の果てまで追い詰め殺す 指先潰して…

「恋愛劇場」 2008年01月29日作成

「スキダ」なんて恥ずかしげもなく口にするのはそれが望みかなえるための手段だから 何を望んでいるのか自覚すらしていないのかもしれないあなたの策略 あなたは決して素直じゃないから あなたは決して良い人なんかじゃないから だけど願いを口に出来るほど…

「咆哮」 2008年01月29日作成

力無き者の嘆きは何物も動かす事無く、まるでそれが存在した事ですら偽りであったかのように消滅していく 全てが共に消えて行く そこには哀愁すら漂わず そこにあったハズノ怒りも、悲しみも、そして温もりさえも何も残らず ならば、なにを 何を為せば、何を…

「禁肉法」 2007年12月04日作成

ある日、世界のトップが言った。 「食肉なんて野蛮な行為はもうやめよう! 動物だって生きてるんだ!」 人々は熱狂し、応えた。 「そうだそうだ! 肉なんて食べるな!」 「屠殺(とさつ)反対! 屠殺反対!」 「命を大切にするべきだ!」 「無残に殺された動…

「ある家族の物語」 2007年11月05日作成

僕が父親に対して憎しみを抱いたのは、いつからだっただろうか。 僕が小学生だったころ、僕の父親はいわゆるエリート金融マンと呼ばれる人種で、昼夜を問わず働きづめだった。 それでも、たまの休みには僕と母親を連れて旅行に連れて行ってくれたり、近所の…

「アナタニササゲル愛ノウタ」 2007年08月26日作成

あなたはあなたが思っている以上に価値の無い存在なんだ あなたはもしあなたが死んだ時には誰かが泣いてくれるとでも思っているのだろう 口では否定するかもしれないが、実際は心のどこかでそう思っている でも、本当はそうじゃないよ あなたが死んだってこ…

「マッド?」 2007年08月26日作成

試験管ベイビーを作ろう 今すぐに 材料はなんでもいいさ みすぼらしい女の卵子を抜き取り 薄汚れた男の精液をぶちまけろ そうすりゃ勝手に出来上がる 代理母なんて下らない 入れ物なんてガラスで十分 適度に栄養を振りまいて 気持ちわるく進化するそれを見守…

「海月(クラゲ)」 2007年08月26日作成

雑誌に群がる無色透明の海月たち 二時間後にはみんな染まってる 黄色い雑誌に黄色い海月 青色雑誌に青色海月 そして集まる海月集会 思い思いに褒めあう街角集会 「いい色だね」 「いい色だね」 「いい色だね」 「いい色だね」 街角見下ろす摩天楼 海月大量 …

「病院」 2007年08月25日作成

消毒液の香りがする部屋で 今まさに彼は絶命した 体中の骨と言う骨は砕け 体中の液と言う液は抜け 体中を刺し貫く痛みの中で 今まさに彼は絶命した その瞳にはもう何も映らず その暖かさは急速に失われ そこにあるものから、彼が消えていった 今まで彼が身に…

「とうもろこしを考える」 2007年08月25日作成

映画館で食べる塩を降られたポップコーン それもとうもろこし 海の家で食べる醤油を塗られた焼きもろこし それもとうもろこし 学食で食べるサラダを彩るスイートコーン それもとうもろこし 人の手が入らなければ生きていけない 改造 改造 どこまでも改造され…

「庭」 2007年08月25日作成

枯れ果てた庭がありました でも、ほらよくみてごらんなさい …ね?

「あなたの感じている苦しみの原因、そしてそれに関係するあなたと世界の関係性について」 2007年08月24日作成

あなたがずっと何もせずに眠っているのは、あなたが現状に満足しているからだ。 にも関わらずあなたが圧迫感や焦燥感を感じているのは、あなた自身が成長を望んでいるからだ。 ところが、あなたときたらどうだろう。 する事と言えば、眠り、食べ、また眠り。…

「美少女メイド・××藍」 2007年05月24日作成

美少女メイド・××藍 中学2年14歳 家庭の事情で奉公先へ 薄給激務 早朝起床 冷たい水で顔を洗う 薄汚れご主人中年ハゲ セクハラ三昧 全裸で起床 鞄の中身はバイブ・ローター・ムチ・ナイフ 真っ昼間から始まる情事 新調されたヒラヒラフリル引きちぎられてビリビリフリル…

「クリエイターゾンビ」 2007年05月09日作成

クリエイター殺され 体朽ち果てすべて溶けた クリエイター消され 体朽ち果てすべて溶けた 燃やせ 燃やせ 燃やせ 絡みつくヘドロ燃やせ 保身が元凶 ならば命捨てろ 糞どもの叫びの上に更に屍を積みそこで笑え 無能共の夢を吸い取り糧としろ クリエイター動け …

「もがく」 2007年03月13日作成

「あははははははははははははははは」 目覚めたとき、母親が笑っていた。 何か面白いことでもあったのだろうか。 私が訪ねても返事は返ってこなかった。彼女はただ笑い続けながら朝食を作っている。 「あははははははははははははははは」 笑いながら配膳す…

「拠り所」 2007年03月12日作成

何気なく立ち寄ったリサイクルショップで古びたランプを見つけた。 店の照明を受け、鈍い光沢を放つそれは私の興味を引くのに十分すぎるほどの風格を醸し出していた。 あの有名なおとぎ話に出てくるランプが実在するのならば、それはまさしく今、私の目の前…

仕事と感情と自己実現について夢も希望もへったくれもない持論をウダウダと書いた 2013年7月19日作成

意見Aを通すために別の意見Bを貶め、聴衆に相対的に意見Aの価値が高い様に見せかける…というテクニックがありますが、まぁ、このテクニック自体がそもそも浅ましいものであるという点は置いておいて、このテクニックを「意見Aを通す」という目的のために…

「ある星に関する私の話」 2007年03月11日作成

私は宇宙旅行を嗜む者です。 ここでお会いしたのも何かの縁。 私が見てきたある星についてお聞かせいたしましょう。 その星は大小様々なドームで覆われていた。 私はその中のひとつに侵入してみることにした。 地面にはやわらかく耕された畑が一面に広がり、…

「ライフル is ビューって振る」 2006年12月20日作成

ハラワタ撃ち抜きミミ引き千切る 両足凍らし腕吹き飛ばせ 酔いどれゲロ吐きパンチドランカー 読経ポリス麺食って歩道 価値なき文明 赤い月 紡ぐ言の葉ロクデナシの夢 超深刻な睡眠不足 絶対不可避眼精疲労 【(The Return of) 01MESSENGER】 数字の羅列情感た…

「夢の支配者」 2006年09月24日作成

どこまでも続く暗闇を私は走り続けていた。あの男から逃れるために。 どれだけ走っても風景に変化はない。漆黒の暗闇が世界を支配している。何も見えない。ただ、背後から迫り来る重厚な足音だけが響いている。ヤツはすぐそこまで迫っている。私を殺すために…

「穴」 2006年09月20日作成

僕の肛門は世界に狙われている。 理由はわからない。ある日、突然、世界中の人間が僕の肛門に何かを挿入しようと追いかけてくるようになったのだ。 あるものは男性器。あるものは腕。またあるものは刀……。 冗談じゃあない。肛門にそんなものを入れられてたま…

「新説竹取物語」 2006年09月16日作成

山奥の古ぼけた民家で、囲炉裏の火に当たりながら女はため息をついた。 「どうしたんじゃ、ため息なんかついて」 女の正面で暖をとっていた老人が話しかける。 「ううん、なんでもないの」 女はそういって首を横に振った。 「帝様の事を考えていたのでしょう…

「楽曲『変化』」 2006年09月15日作成

少し肌寒い風が夏の終わりを静かに告げ、虫達の音色が寂しげに鳴り響く季節。妻に付き添われ嫌々訪れた病棟で、私はぽつねんと長椅子に座り診察を待っていた。 「田中さん、お入りください」 診察室の中には、私と同年代だと思われる壮年の医師がいた。少し…