槍の墓場 と 光の種

詩・小説・日々思う事・ジャンプ感想などを投稿します。

【詩】ミノタウロスの餌

目覚めたときには無限回廊 どこを目指すも袋小路
助けを求めて手を伸ばすも ここには誰も来ちゃくれない
ここは出口の無い永遠の闇 産まれ落ちたその事が罪
逃れられないその名は人生 唾を吐き今日も自嘲の渦の中

 

鏡の中に浮かぶ涙 人波の中でたった一人泣き喚くも
全ては雑音の中 夜露の様に消えていく
一度も浮かび上がることすら出来ず 閉じられた箱の中で
一人わめき続けて 爪痕すら残せずに
そこに居た事すら 証明できないんだろう

 

だから今日も濁った血液が流れ落ちる様を
耳障りな笑いを発しながら
呆けたような眼窩の奥に映しながら
音の無い冷たい乱痴気騒ぎの中で消費し尽そう

 

そしてやがて全身の細胞は腐り落ち 命が大地に溶けてゆく
吐き出した声は風に紛れ 涙が空に散っていく
まるで最初から何もなかったように 全てが散って枯れていく

 

そんな理を受け入れたくないなどないから
ただ産まれ死んでいくだけの時間を食いつぶして
この苦しみの中で流れるまま
一瞬の栄華を求めて 永久に足掻くのだろう
君も僕も 誰も彼も ここで

 

だけどここは無限回廊 産まれ落ちたその事が罪
音の無い冷たい乱痴気騒ぎの中で 全てが散って枯れていく
閉じられた箱の中で まるで最初から何もなかったように
君も僕も 誰も彼も 爪痕すら残せずに
音の無い冷たい乱痴気騒ぎの中で 永久に足掻くのだろう

 

出口など ここには 無い