槍の墓場 と 光の種

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ニュース記事「正社員男性の平均給与「527万円」 引き上げているのは誰なのか?」を読んで思った事をつらつらと

↓のニュース記事を読んで思った事をつらつらと。

https://news.careerconnection.jp/?p=2361

男性の平均給与を年齢階層別に見ると、一番高いのは50代前半(649万円)で、以下40代後半(638万円)、50代後半(629万円)と続く。このあたりが平均値を大きく引き上げているのは確かなようだ。


なるほどー。公益財団法人総合研究開発機構が2009年11月に発表している「高齢化は脅威か?」というレポート(http://www.nira.or.jp/pdf/0905report.pdf)の第4章の要約(54ページ)に「生産性は40歳代を頂点に、ほぼ逆U字の形状にあり、また、若年層と高年層との比較においては、高年層の方が比較的生産性が高いものとなった。」という記述がありますので、引用記事の記述とこのレポートの両方を信頼するのであれば、「日本社会は成果と対価が比例関係にはない」という事が言えそうですね。成果と対価が比例関係にあるのであれば一番、生産性が高い40歳代の平均給与が一番、高くなるはずですから。少なくとも50歳代の方は40歳代の方の成果から得られた対価を得ている事になります。

この構造が未来永劫変わらないと仮定して、日本の人口ピラミッドhttp://www.stat.go.jp/data/nihon/g0402.htm)を眺めると、今後の40歳未満の人々の苦労が今から伺えますね。今は40歳代の人もそれなりの数がいますので、50歳代以上の人を支える事もまぁ、無理ではないでしょうが、40歳未満の層はガクンと人口が減りますからね、少ない人口で多くの人を支えなければならない。かつ、今年くらいから第1次ベビーブームの人が大量に退職するわけで、彼らは生産性が下がりつつも会社で生産活動を行い、それなりに自給自足を行っていたわけですが、退職後は基本的に生産活動を行わず、国に生活を保障してもらう生活にシフトするわけで、今後の40歳未満の人々は会社単位でも国単位でも大量の年齢層が上の人々を支えなければならないわけです。いやー、大変そうですね。

この状況を打開するための案としては例えば以下の案などが思いつきますが…。

  1. 労働人口を移民などの策で増加させる
  2. 退職年齢を引き上げるなどの策で高齢者に引き続き生産活動を続行させる
  3. 日本の給与体系の構造を成果と対価の連動型に変える


いやー、どれもこれも実現は難しそうですねー。特に3は難しそうですねー。なんとなく2が一番、実現は容易そうな気がしますね。年金などの諸々の社会保障を少なくすれば高齢者でも生きていくために嫌でも働かなけばならないわけですから。ただ、その社会は住む人にとって非常に厳しい社会となりそうですねー。死ぬまで働き続けなければならないわけなので。個人的には1を実現させるのが総合的に一番、合理的なんじゃないかと思うんですけど(もちろん同時に2と3も進めるべきですけど)これは今の世論だと反対意見が多そうですねー。安倍さんは選挙時に有権者ナショナリズムをことさらくすぐる事によって支持者を増やした様に見受けられるんですが、その反作用として1を実現させづらい世論を形成してしまいましたので。

いやー、しかし本当に日本政府は今後、どうやってこの辺りの舵取りを行うつもりなんでしょう。今のところは私には安倍さんの経済政策は過去の成功事例を焼き直しているだけの様に思えますが、過去と現在では人口構成などの構造が変わっている以上、それでは効果的な策にはならないと思うのですけれど。